ふっくらとした小ぶりな花が可愛らしいスイートマジョラム。古代ギリシアやローマ時代から人々に愛されてきたハーブの苗と花の育て方を紹介します。
実はオレガノの親戚 – スイートマジョラムってこんなハーブ
スイートマジョラムは同じシソ科のオレガノの近縁種。
マジョラムには3種類あり、そのうち「オリガヌム類」にあたるワイルドマジョラムが料理などで使われる”オレガノ”です。
スイートマジョラムは「マヨラナ類」にあたり、名前の通りやや甘い香りが特徴。
もう一つの「アマラクス類」は古代ギリシアやローマから医療用に使われてきたハーブで、美しい花を咲かせる品種が多いために花オレガノとも呼ばれています。
どのマジョラムも生育が旺盛で、茎の節から発根したり根茎が伸びたりして、株が大きく膨らみます。
鉢植えの場合は毎年、地面に直接植える場合では2~3年に一度は株分けするようにしましょう。
スイートマジョラムの育て方
苗を植え付けるタイミングと育て方
露地栽培の場合は、3~5月と9月中旬~10月中旬が植え付けの時期。室内で育てる場合は、気温と湿度を管理すれば、1年中いつでも育てることが出来ます。
日がよく当たる、風通しの良い場所が苗の植え付けに適しています。
高温多湿に弱いので、春先の植え付けは早めに行い、梅雨入り前に十分に根を張らせるようにしましょう。
スイートマジョラムは地面を這うように株が膨らんでいくので、花壇の縁や大き目の植木鉢で育てると楽に収穫できます。
種から育てるときは?
スイートマジョラムの種子は非常に細かいので、バラ撒きや条撒きで発芽させるときは種子同士が重ならないように注意が必要です。
細かい土に種子を混ぜ込んでから、別に用意した植え付け用の土に被せるのも良いでしょう。
植え付けに適しているのは4~5月と9~10月。春先に撒く場合は暖かい室内で発芽させましょう。
発芽したら間引きしながら生育の良い個体を育てていきます。
花の育て方
スイートマジョラムの花期は5~6月(そのため、4~5月に苗や種を植え付けると、花を見られるのは翌年まで待たないといけません)。
固体や品種ごとに紫やピンクなど、小ぶりで可愛らしい花を咲かせます。
花を生育させるのに特に有効なのがリン酸肥料。
ハーブを育てる際の3大栄養素(窒素、リン、カリウム)の一つで、”花肥え”とも呼ばれます。
遅効性の肥料なので、前年の10月くらいに追肥として撒くのが良いでしょう。
水やりは控えめに
乾燥した気候を好むので、定期的に水やりをする必要はありません。
土の表面が乾いてきたら、その都度、水を与えるようにしましょう。
スイートマジョラムの病害虫予防
スイートマジョラムにはハダニやコナジラミが大敵。
いずれも小さな虫なので、水で洗い落すことが出来ます。
植木鉢やプランターで育てているならば、時々外に持ち出して株全体をシャワーで洗い流すように水撒きするとよいでしょう。
スイートマジョラムの好む肥料
苗または種子から育てるときも、植え付け時に元肥を施し、生育期の8月に追肥を入れましょう。
カリウムを多くすると根が丈夫に育ちますが、香りがやや薄れてしまうため注意しましょう。
スイートマジョラムの冬越しと夏越し
もともとが地中海原産のハーブであるスイートマジョラムは、高温多湿な日本の夏が苦手。
湿気の多い梅雨の時期に枯れてしまうことが多いので、風通しの良い半日陰で育てるようにしましょう。
半耐寒性のため、冬場でも日当たりの良い場所なら屋外で育てることも可能です。
寒さの厳しい地域では、軒下や屋内に移すようにしましょう。
スイートマジョラムの収穫・保存
ある程度株が育ったら、随時収穫可能です。
収穫しないと株元に日が当たらなくなり、根元から枯れてしまうことがあるので積極的に刈り入れをしましょう。
刈り込みの際には枝先ばかりを集中して切らず、株元10cmくらいのところから切り取って、新芽を伸ばすのがポイントです。
オレガノの親戚であるスイートマジョラムはトマト料理と相性の良いハーブなので、生葉をフレッシュハーブとして使うのもおすすめ。
ジップロック等で冷凍保存することもできます。
ドライハーブを作る場合は、開花し始めのころに株元5~15センチくらいのところから刈り取りましょう。
刈り込んだ後の株は少し多めの水を与え、半日陰の涼しいところで株を休ませましょう。
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