強い甘さから、古くから甘味料として愛用されてきたリコリス。ハーブティーとしての効果と副作用、混同されがちな彼岸花との違いについて紹介します。
リコリスってどんなハーブ?
リコリスは紀元前500年頃から薬として使われてきたハーブ。その歴史は古く、エジプトのパピルスにも記録されています。
学名の”Glycyrrhiza”はギリシア語で「甘い根」の意味。”甘草”という和名からも分かる通り、非常に甘みが強いのが特徴です。
甘みの正体は根に大量に含まれるグリチルリチン。砂糖の50倍の甘さがあり、ステビアに並んで甘味料の材料として使われるハーブです。
リコリスの効果・効能
グリチルリチンには副腎皮質ホルモンの効果を高める働きがあり、アレルギーなどによる炎症を鎮める作用があります。花粉症による鼻づまりや風邪で痰や咳が気になるときに試したいハーブです。
また、甘みが強いのでダイエット中にスイーツを口にしたくなった時にもおすすめ。
ただし、妊娠中・授乳中の方の飲用はNG。糖尿病、肝障害、腎臓疾患、その他高血圧の方も禁忌とされているので注意が必要です。
リコリスと彼岸花との違い
彼岸花はヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年生草。一方で、リコリス(甘草)はマメ科カンゾウ属のハーブ。
学術的には全く異なるものですが、ヒガンバナの英名が”Lycoris radiata”だったことから、両者が混同されることになりました。
ちなみに、リコリスと異なりヒガンバナは草全体が有毒な植物なので、アロマやハーブに使われることはありません(あぜ道や土手に敢えて有毒な植物を植えることで、モグラやネズミなどの害獣が農耕地へ侵入することを防いでいたという説もあります)。
ただし、鱗茎にはデンプンが含まれているので、飢饉の時には毒抜きをした後、非常食として食されることもありました。
リコリスの花が花弁の根元から花先に向かってクリーム色から紫のグラデーションを描くのに対して、ヒガンバナの花弁は鮮やかな赤色一色。放射状に広がる細長い雄しべも特徴です。
リコリス~ハーブティーの美味しい飲み方~
シングルティーで飲むときは
シングルティーで楽しむときの淹れ方は、一般的なハーブティーより抽出に時間をかけるのがコツ。
ティーカップ1杯(約150ml)のお湯にドライハーブ小さじ1が目安。7分程度蒸らせば完成です。
リコリスのブレンドティーレシピ
肌荒れが気になるときに
ミルクシスル・・・小さじ1
ミルクシスルは肝臓の働きを高めるハーブ。炎症を鎮める働きのあるリコリスと一緒に飲むことで、体内の毒素の排出を促し、体の内側からキレイにしてくれるブレンドティーです。
喉の違和感が気になるときに
タイム・・・小さじ1
料理のスパイスとしても使われるタイムは、抗菌作用にも優れたハーブ。季節の変わり目で喉がイガイガしたときにおすすめのハーブティーです。
寒くなる時期の風邪の予防に
エキナセア・・・大さじ1
エキナセアは「天然の抗生物質」とも言われるほど、抗ウイルス性、抗菌性に優れたハーブ。免疫力を高めてくれるので、寒くなり始める時期から飲んでおくのがおすすめです。
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