カメムシに似た匂いの若葉からは想像もつかないような、爽やかな香りのコリアンダーシード。スパイスとして使われてきた薬草の、ハーブティーの効果・効能。そして、匂いの正体である「デシルアルデヒド」について紹介します。
料理やお菓子に~コリアンダーシードの使い方~
コリアンダーは古代エジプト時代から料理や薬用に使われてきたハーブ。紀元前1550年頃のサンスクリット語の文献にも登場します。
中国では”香草(シャンツァイ”)、タイでは”パクチー”と呼ばれ、独特な香りから日本でも人気のあるハーブです。
エジプトでは紀元前1000頃から故人と一緒にコリアンダーを埋葬する習慣がありました。また、イギリスではオートミールの味付けや肉の保存に使われるなど、様々な国で親しまれてきました。
一般的にはエスニック料理に葉の部分を薬味として入れることが多いですが、根や果実も食べることができます。
特に根は葉よりも風味が強いのでタイ料理ではスープに馴染み深いハーブです。
(ちなみに、葉の部分は熱によって香りが飛びやすいので、煮込み料理に入れる場合は火を止める直前に鍋に入れるのがよいでしょう。)
また、果実は乾燥させたものがスパイスになります。
コリアンダーシードやコリアンダーホールと呼ばれるスパイスは、葉や根とは全く異なりレモンやセージに似た爽やかな香りが特徴。
ソーセージなどの臓物料理の臭み消しのほかに、アップルパイやシフォンケーキなど、お菓子の香り付けにも使われています。
コリアンダーの匂いの正体は?
独特の匂いから”カメムシソウ”と呼ばれることもあったコリアンダー。
香りの正体は葉や茎、成熟前の果実に含まれるデシルアルデヒドという成分です。
成長するにつれて、この成分は少なくなり、代わりにリナロールが増えていきます。リナロールは、オレンジやレモン、バラなどの人工香料を作る際に使われる成分で柑橘系の香りが特徴。
「コリアンダーは匂いが苦手」という人は、匂い成分の少ないコリアンダーシードから試してみると良いでしょう。
コリアンダーシードの効果・効能
精油に含まれる、テルピネンやフェランドレンには消化を促進し、腸の働きを調える作用があるので、食べ過ぎた後の胃もたれ改善に役立ってくるれるハーブティーです。
駆風作用もあるので、お腹にガスが溜まって苦しいときにもおすすめ。インドでは咳止めや強壮剤としても使われています。
なお、重金属や有害物質のデトックスに効果があるといわれていますが、これについては積極的に効果を根拠付ける科学的資料は見つかっていません。
コリアンダーシード~ハーブティーの美味しい飲み方~
シングルティーで飲むときは
シングルティーで楽しむときは、一般的なハーブティーよりも抽出に時間をかけるのがコツです。
ティーカップ1杯(約150ml)のお湯にドライハーブ小さじ2が目安。10分程度蒸らせば完成です。
コリアンダーのブレンドティーレシピ
お腹にガスが溜まったときに
ダンデライオンルート・・・大さじ1
ダンデライオンは肝臓や胃腸の働きを促進する効果に優れたハーブ。緩下作用(腸の蠕動運動を促す作用)もあるので、便通でお悩みの時にもおすすめです。
便秘・おならが気になるときに
バードック・・・小さじ1
食物繊維が豊富なバードックは、便秘の時に心強いハーブ。利尿作用があり、老廃物の排出も促してくれるのでデトックスにも良いでしょう。
→便秘・おならの救世主‼~バードックの効果・効能~
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