コンフリー(ヒレハリソウ)が日本で”販売禁止”になった経緯

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 栄養豊富でかつては食用にも使われていたコンフリー(ヒレハリソウ)。日本で”販売禁止”となった、これまでの経緯と、観賞目的での栽培方法・育て方のポイントを紹介します。

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コンフリーが日本で”販売禁止”になるまでの歴史

栄養価の高さが期待されたコンフリー

 コンフリーはコーカサス地方原産のハーブ。日本に伝わったのは明治時代で、当時は牧草として導入されました。

 もっとも、「畑の牛乳」と呼ばれるほどに栄養価が高かったコンフリー。
 食糧事情の貧しかった当時の日本では、次第に食用のハーブに変わっていきました。

 カルシウムのほか、ミネラル、ビタミンC、ビタミン12などを豊富に含んでいたため、特に野菜が採れない地域の人々に珍重され、茹でたり、天ぷらの具材として食されることが多かったようです。
 食用のほか、アラトインという含有成分には組織の再生を促す働きもあったので、肉厚の葉は湿布材として、骨折や捻挫、外傷の治療にも使われていました。

やがて海外で使用禁止に

 万能のハーブと思われたコンフリーでしたが、時代が下るにつれて危険性が指摘されるようになります。
 注目を集めたのがエチミジンなどのピロリジジンアルカロイド。
 肝毒性の危険があるため、諸外国では徐々に規制されるようになりました。

国名 規制の内容
ドイツ コンフリーの使用を外用目的に限定
カナダ コンフリーを原材料とするNHP(Natural Health Product)を当局の許認可を得たものを除いて販売禁止
アメリカ コンフリーを含む栄養補助食品の自主回収を勧告

そして、日本でも服用禁止に

 これら諸外国での規制を受けて、日本でも2004年に厚生労働省の食品安全委員会が、コンフリーおよびこれを含む食品の製造・販売・輸入等の自粛を、地方自治体及び関係事業者・消費者団体に対して要請するに至りました。

シンフィツム(いわゆるコンフリー)及びこれを含む食品の取扱いについて

(1) コンフリーを製造・販売・輸入等する営業者に求める事項
・ コンフリー及びこれを含む食品の製造・販売・輸入等の自粛
・ 回収等、営業者による自主的な措置の実施
※ 食品安全委員会の食品健康影響評価の結果が正式に示された後、コンフリーに対し、食品衛生法に基づく法的な措置をとることとなる。
(2) 一般消費者に対し求める事項
・ 販売されたコンフリー及びこれを含む食品の摂取を控えること
・ 自生し、又は自家栽培したコンフリーについても、その摂取を控えること

出典:厚生労働省 シンフィツム(いわゆるコンフリー)及びこれを含む食品の取扱いについて

現在は自家消費の場合も含めて、食用、内服の自粛が求められています。

コンフリーは”販売禁止”になった?

 こうした発表によって国内では目にすることが無くなったかと思われたコンフリーですが・・・
 実は今でもコンフリーの苗は巷で販売されています。
 その秘密は厚生労働省の発表内容にありました。

 厚生労働省の自粛の対象は、服用目的での”コンフリー及びこれを含む食品の製造・販売・輸入等”に限定されています。
 そのため、観賞目的での製造・販売は規制の対象となっていません。
 楽天で検索しても、かなり手ごろな値段でポット苗を購入できることが分かります。

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 可愛らしい釣り鐘型の花の愛好家も多く、植木鉢でも生育可能なため自家栽培を楽しむファンも多いようです。

コンフリー~栽培のポイント~

コンフリーの育て方1:植える場所と時期

 生育が旺盛なコンフリーは、日なたでも日陰でもよく育つハーブです。
 蒸れや寒さにも強いので、植え付ける場所を選びません。植木鉢で栽培する場合は6号以上の大鉢を選びましょう。
 苗の植え付けに適した時期は春先(3月中旬~5月中旬)、秋口(9月中旬~10月中旬)の年2回です。
 水もちが良い土を好むので、パーライト7:腐葉土やバーミキュライト3の比率で混ぜ込んだものが理想的。
 バーミキュライト酸性なので、植え付けの前に石灰を混ぜ込んで土を休ませ、土壌を中性にするようにしましょう。

 冬場は地上部分が枯れて根だけ残りますが、根が枯れないように注意しましょう。寒冷地では、株元に稲わらやもみ殻を敷き詰めると良いでしょう。

コンフリーの育て方2:水やりの頻度

 湿り気のある環境を好むので、乾燥には注意しましょう。土の表面が乾いてきたら、たっぷりと水を与えてください。
 冬場も地上部は枯れてしまいますが、根は生きているので2、3日に1回は水やりするようにしましょう。

コンフリーの育て方3:病害虫対策

 センチュウが繁殖することがあります。
 マリーゴールドなどのコンパニオンプランツを近くに植えると駆除に役立ってくれます。

コンフリーの育て方5:肥料の与え方

 苗を植え付ける際に遅効性の肥料を与えるほか、秋口に追肥を行うのも良いでしょう。
 生育の早いハーブなので、弱っている様子がなければ追肥は不要です。肥料が多すぎると、他のハーブの根元まで繁殖してしまうので注意しましょう。

コンフリーの育て方6:株分けのやり方

 根を使って株分けをします。
 よく育った株から太めの根を見つけたら、10cmくらいを切り分けます。
 上からcmほど土を被せたら、たっぷりと水を与えましょう。一度生育すると広範囲に広がっていくので、周囲に他のハーブが植わっていない場所を選ぶようにしましょう。

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